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M子二十四歳の選択

こういうことがありました。年の瀬も迫ったある日、ある会合で知り合った一人の女性(当時・大学生)から一通の手紙が届きました。来春に結婚することになったという報せでした。M子、二十四歳。相手は大手の商社マンで、三十三歳。都内のホテルで挙式(キリスト教式)、そして披露宴を計画しているので、その折には祝辞を賜わりたいという趣旨の手紙でした。M子は、私の結婚に関する講演に続く会合に出席していた女性であったので、すぐ彼女の面影が甦ってきました。ちょっと日本人離れした美人。かなりはっきりした考えを述べていたのでよく覚えています。さて、彼女の夫となる男性が、見合いの相手であると手紙にあったのが意外でした。というのは、その席で、彼女が述べていた持論は恋愛結婚であったからです。といっても、大学生時代の結婚観が社会に出た後で変わるということはよくあることなので、〈M子も、やっぱりそうか〉、と納得したものの、その文面から、変な予感がしたのです。その手紙には、大学生時代からつき合っていたボーイフレンドと結婚を約束していたが、自分の両親の反対に遭い、今の見合いの相手と結婚することにしたという事情が短く語られていました。それはまあよくあることだけど、見合いをしてから二週間後に結婚することを決意したというのが、ちょっと引っかかったのです。恋人との結婚を諦め、見合いをして間もなく結婚に踏み切る。心の整理が十分にできていないうちに、反動的に見合いの相手と結婚することにしたのではないか。それに、見合い後二週間のつき合いで、どれだけ相手のことを知り得たのだろうか。余計なことですが、一抹の不安を抱きました。でも、いろいろ事情もあり、M子も考えてのことだろうからと、晴れの日を待ちわびていたのです。見合いして二週間で結婚を決意させた相手は、きっと素敵な男性に違いないと、会える日を楽しみにしていた矢先、事件が勃発。
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