新耐震設計法(一九八一年より施行)になってから増えた欠陥のひとつである。新法を適応してつくった耐震建物は、理論上もうは、地震に対する体力をあらかじめ計算してから各建物に通した構造をつくるため、旧耐震法より強度の性能は高くなった。しかし、問題は施工である。やたら鉄筋が増えたために柱と梁が鉄筋だらけとなり、コンクリートがうまく充填できない。一気に流すとコンクリートが十分側らないで、中が空洞になってしまうのである。
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実際その現場に立ち合ってみると、どの作業員も相当苦労して作業をしていた。とにかく懸命にくっ付けて、時間をかけて少しずつコンクリートを流し込むしか術がないのである。したがって監理がルーズな現場では、当然、業者は従来どおりにポンプで一気に流し込む道をとるだろう。また、業者のモラルに期待せず、これを避ける唯一の方法は、設計者自身があらかじめ作業の困難さを予想して、柱や梁をできるだけ大きく余裕をもって設計することである。そうすれば鉄筋が多少増えてもコンクリートは詰まることがなくなり、空洞もできない。だが、デザインのトレンドは反対に「より細く、よりシンプルに」が主流であるため、そう簡単には解決できない。