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美容外科のうしろめたさ

僕も、医者として美容外科についてはいろいろと迷うことが多い。手術を勧めるべきかどうか、決めかねることもしばしばある。美容外科の場合、患者さんの迷いと医者のためらいとは、立場による差はあっても、共通する部分も多いかもしれない。これが美容外科の特徴でもある。とくに最後まで残るためらいは、美容外科手術を受けること、することの、何とはないうしろめたさである。「身体髪膚これを父母に受く」。この孔子の言葉に、私たちはずいぶんと束縛されてきたような気がする。「あえて毀傷せざるは孝の始めなり」と続くから、メスで傷つける外科は邪道だという短絡的な発想につながるのである。元来は「親からもらったこのからだを大事にしなさいよ」という至極当たり前の教えのはずなのだが。もちろん最近では、そこまでかたくなに孔子の教えを拡大解釈する人は少ない。実際、命に別状なくとも、機能回復のための手術はさかんに行われている。骨関節の手術、耳鼻科、眼科、泌尿器科などの手術は、ガンでもなければほとんどが機能改善の手術といえる。だが純粋に形のために、つまり見栄えのために、なぜ危険をおかしてまで手術をするのか。それも大ヤケドや交通事故の傷ならともかく、虚栄心を満足させるために健常なからだにメスを入れるとはけしからんと考える人がまだまだ多い。
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